どうなるモンゴル視察旅行
2024年7月11日
この度、国際奉仕および世界社会奉仕の事業として公式ではありませんが、6月18日から22日の4泊5日の行程でモンゴルを訪問してきました。前後1日ずつは移動に要するため、中3日の滞在となります。メンバーは、井上会長をはじめ、向井会長ノミニー、厚見会員、島田会員、三平会員、高桑秀治・朝代ご夫妻、木藤の8名です。この企画は、私の「他国のクラブと交流して奉仕活動をしてみたい」という願いから始まりました。目的は、他国のロータリークラブと交流を図り、活動の取り組み内容や問題点などモンゴルの現状を知ることです。また、厚見会員のつてで十数年前にサポートを行ってきた米山奨学生のモンゴル人ガントゥルガさんと連絡を取り、国立科学アカデミー・生物学研究所の訪問も行いました。さらに、島田会員の米山記念奨学会の活動を通じて知り合った富山在住の元米山奨学生のご主人(モンゴル人・バヤンさん)が現地での手配をしてくださり、案内や通訳、こちらの要望に応じてサポートいただきました。
モンゴルとは
中国とロシアに囲まれた内陸国で、国土面積は156万平方キロメートル(日本の約4倍)に対し、2024年の人口は約349万人(日本の42分の1)で、世界で最も人口密度の低い国です。人口の約170万人が首都ウランバートルに集中しています。平均寿命は65歳、出生率は2.84(日本は1.2)、時差は1時間、物価は日本とほぼ変わらず若干安いです。国際ロータリー第3450地区には国内に13RC、会員数約300名が存在し、ローターアクトクラブや米山学友会も活発に活動しています。
1日目、朝早く金沢を出発し、19時にウランバートルに到着しました。天気予測に反して雨でした。
セレンゲ村を訪問
2日目、厚見会員はガーナさんと別行動をとるため首都に滞在し、私たちはシベリア鉄道で遊牧民族のトンヘル村まで130キロ(時速40キロ)の距離を、永遠と続く草原と放牧された馬や羊を眺めながら3時間かけて到着しました。天候は快晴で、ウランバートルは厚見会員が自他共認める雨男らしく大雨でした。
3時過ぎから隣町で活動しているセレンゲRCとの交流会を予定していましたが、なかなか到着せず、結局19時近くになって合流しました。隣町は200キロも離れていたそうです。井上会長から「モンゴルとの交流が今まで以上に友好なものになるように意見交換ができれば幸いです」との挨拶があり、バナー交換を行い、66度のウォッカで「トクトーイ」と乾杯しました。この村の一番の課題は衛生環境で、未来を担う子供の健康を守るためには、弱視や歯の治療、トイレの汚水・汚染を解決しなければなりません。
バヤンさんのご尊父(セレンゲ県県議会議員)のご配慮で、子供たちの踊りや子供モンゴル相撲などをご披露いただき、盛大に歓迎していただきました。綺麗な星空を眺めながらゲルで一泊しました。日中は30度近い気温でしたが、夜は3度まで冷え込みました。
設立一年RCとの交流
3日目、ウランバートルに戻り、NEWブリッジロータリーRCと交流しました。設立1年で会員数20人のこのクラブは、国際交流に力を入れており、韓国や日本(大阪)を既に訪問しています。大阪のRCとは、弱視や盲目の方への点字紙の提供をお願いしているそうです。
元米山奨学生ガーナさんを訪ねて
最終日、元米山奨学生のガーナさんが所長を務める国立生物学研究所を訪問しました。モンゴルには国が設置する16のアカデミーがあり、彼の専門は白血病やエイズなどの血液の研究です。世界各国と連携をとっており、金沢医科大学病院とも連携を図っているそうです。その後、ピースアベニューRCと交流会を行いました。このクラブはローターアクトからロータリアンになった方々で構成されており、現在でもアクトの活動に力を入れています。井上会長へは東アクトクラブとの交流を持ちたいとの打診があり、今後の動向が楽しみです。ここ10年で日本円にして2億円超えを奉仕活動に費やし、最近では難聴の乳児を早期発見するための機械を全国に普及させる活動に注力していました。
3RCと活動内容等について意見交換を行いましたが、首都や村を問わず子どもの健康、医療の発達、弱視や盲目への対応が課題でした。
女性の活躍や行動力に目を見張るものがあり、3RCとも会長はドクターや弁護士職の女性で、会員の約半数が女性でした。
今回の視察旅行で、モンゴルの現状を知り、RCを通じて生の声を聞くことができ、研究所訪問でアカデミックな話も聞けました。今後はこの機会を生かし、公衆衛生政策を促進させるアドバイスをしていきたいと考えています。参加メンバーや現地でお世話になった方々に心より感謝申し上げます。食事については牛肉を使った料理が多く、美味しくいただきましたが、ビールは常温でした。